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甲状腺疾患

1 甲状腺機能異常症
 (1)甲状腺機能低下症(橋本病など)
 (2)甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)

2 甲状腺腫瘍性病変(甲状腺癌など)

 甲状腺は首の前面、のど仏と鎖骨の間にある臓器です。日本には甲状腺疾患が非常に多く、約200人に1人は治療が必要とされています。
 甲状腺疾患は検査をすすめる上で、甲状腺機能異常症と甲状腺腫瘍性病変の2つに分けて考えることができます。
甲状腺機能異常症

 甲状腺は甲状腺ホルモンを分泌する臓器であり、全身の代謝(コレステロール、筋肉、骨、肝臓など)や交感神経作用(動悸、発汗、手のふるえなど)など非常に重要な作用を持っています。そのため、甲状腺ホルモン分泌の過不足(機能異常)はそのまま病気となるのです。


橋本病が代表的な疾患であり、体のだるさ、むくみ、抑うつ気分、便秘症、手足の筋肉のつりなどの症状を伴います。しかし軽度の低下症では症状が出ないこともあります。
その他、高コレステロール血症、徐脈、心不全などで発見される場合もあります。
検査方法
採血にて甲状腺ホルモンを測定し、低下症の場合には橋本病の抗体(抗サイログロブリン抗体、抗TPO抗体)を測定します。その他の疾患の検索が必要な場合には超音波エコー検査を追加して行います
治療方法
甲状腺ホルモン(チラーヂンS)の内服補充を行います。

バセドウ病が代表的な疾患であり、動悸、発汗、体重減少、手足のふるえ、下痢症などの症状を伴います。 その他、眼球突出や心房細動、低コレステロール血症、ALP値の上昇などで発見される場合もあります。
検査方法
採血にて甲状腺ホルモン、甲状腺受容体抗体(TRAb)あるいは甲状腺刺激抗体(TSAb)を測定し、超音波エコー検査を行って、バセドウ病かどうかの診断を行います。
バセドウ病でない場合(無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎など)を正確に診断することが最も重要であり、専門的判断が要求されます。
治療方法
バセドウ病の場合には、治療方法が3つ(薬物治療、アイソトープ治療、手術)あるためその選択を行うことになります。
(→バセドウ病の治療方法
バセドウ病以外の場合は病因を診断した上で適切な対応が必要です。
甲状腺腫瘍性病変

 甲状腺は海産物に多く含まれるヨードの影響を受けるため、日本人の約4〜5人に1人の割合で甲状腺に何らかの「できもの」ができます。
 その多くは「結節」と呼ばれる良性の過形成ですが、「腫瘍」の場合には良悪性の鑑別が必要となります。
 腫瘍が小さな場合には自覚症状はなく、頸動脈エコー検査の際に偶然見つかる場合がほとんどです。しかし腫瘍が大きな場合には首の腫れとして指摘され、嗄声、喉の違和感などの自覚症状が出現することもあります。
検査方法

甲状腺に特異的な腫瘍マーカー(サイログロブリンなど)を採血し、超音波エコー検査で腫瘍の大きさや血流の程度、辺縁の様子、周囲への浸潤や頚部リンパ節腫脹の有無など頚部全体を詳しく調べます。
腫瘍マーカーが高値の場合、あるいは超音波エコー検査所見で良性と判断しきれない場合には、良悪性の確定診断のために穿刺細胞診を行います。
具体的には甲状腺に細い針を刺して細胞を吸引し、顕微鏡でその細胞の「顔つき」をみて病理学的診断を行います。

治療方法
良性の場合には定期的な経過観察を行うことで十分です。
悪性の場合には手術による摘出が治療の第一選択となりますが、患者さんの希望をお聞きしながら、状況に応じて相談させていただきます。
(→甲状腺癌の治療方法



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